移動都市/モータル・エンジン を観てきた(ネタバレあり)
ライラの冒険とかの香りがする。
だいたい、監督の過去作を売りにしたり、とにかく映像を売りにする映画にろくなのはありませんが、まさにその見本みたいな映画でした。
確かに映像は凄い。飛行船や蒸気吹き出すスチームパンクっぽさとポスト・アポカリプスの荒廃感は素晴らしかった。でも、ストーリーが複雑過ぎ。難しいとかじゃなく、色んな要素がありすぎてゴチャゴチャしてた。
そもそも主人公が赤いマスクしている娘では無く、移動都市ロンドンの博物館員が主人公。彼がツンツンなマスクの娘と出会うことでロンドンが企む陰謀に巻き込まれて大冒険をするラノベ的な話なのですが、
- 移動都市ロンドンでマスクの娘が親の仇に復讐しようとしたら荒野に落とされる。
- 人買いに捕まって危機一髪の所を反乱軍に助けられたら、いきなり空中アジトに連れて行かれる。
- そこにマスクの娘を追って謎のアンドロイドが追撃してきてアジト崩壊。
- そのアンドロイドとマスクの娘の過去が語られたと思ったら、ロンドンが過去の兵器を復活させて、平和な東方地域を侵略開始。
- アンドロイドが持っていたキーを持ってロンドンに突撃。
という感じでドンドン展開していきます。当初の目的の『マスクの娘の復讐』とかどっかに消えてしまいます。終盤思い出したかのように復活しますが。
あとポッと出のキャラも多すぎ。敵ボスの娘とか、最初に出てきて絡むと思ったら大して何もしないで最後にもう1回出てきて親に文句いうだけ。主人公の同僚は中盤にボスに取り入っておしまい。その他、敵ボスの娘と行動したけどその後出なくなる男や、中盤に出てきていきなり主人公達の盾になって感動シーン担う反乱軍のパイロット達とか、説明も少ないので感情移入出来ません。そもそも反乱軍の大物のANZEN漫才・みやぞんみたいな女キャラやマスクの娘を追うアンドロイドも大して語られることが無いので、主人公かマスクの娘以外は通っては消えていく消耗品だと思ってください。
大体、ラストにマスクの娘が狭い足場で戦いながら、敵のボスに「私が父親だ」言わせつつ、主人公が飛行船で移動都市ロンドンのコアを狭い通路通りながら壊しに行くとか、スター・ウォーズだよね?これ?敵ボスが改心しなくて、皇帝ポイ捨てしないだけで。王道っちゃ王道だけど、いい加減飽きた。
一応原作は4作あるみたいだし、続編できる作り方しているけど、正直次は無いと思う。そもそも東京で上映3館って時点で配給も諦めているでしょ。Rotten Tomatoesのスコアも酷いもんだし。ネット配信で無料なら観ても良いと思う。有料は理由がなければオススメしません。
原作。